鳥たちがとまり木を選ぶように、好きな場所を陣取れる
いろいろな場所のある家。
間口が狭く奥行が長い街中の敷地で、いかにプライバシーを保ちながら自然を楽しめるか、クライアントと共に挑んだすまい。
個々の場所の豊かな個性とそれらが敷地の奥行を活かして連なる様は、変化と心地よさに満ち、魅力的な居住空間を形成しています。
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所在地:愛知県名古屋市
構造:木造2階建
延床面積:約140m2
photo:Yuko TADA
窓際にせまってあふれる光と風を肌に感じられる、リビングのコーナーにおさまる作り付けのソファ。
ソファまわりの空間がなくなることでホコリがたまりにくく、座面の広さをゆったり確保できます。座面下は引出し収納とし、雑然としがちなリビングの小物や配線を納める場所として活用しています。
部屋全体の作り付け家具や建具等とテクスチャを合わせることで、生活の背景に徹し、住まい手の暮らしが個性として引立つデザインとしています。
連なった空間に位置するキッチンも制作家具とすることで、全体の調和が取れた空間となっています。
(森のとまり木ハウスに計画)
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所在地:愛知県名古屋市
「海に行きたい!」と思ってから海水にさわるまでの経路・・・
そのうち最も大切な部分である
パラソルから海までを体験的に表現。
実際には足の裏で感じる夏の砂浜を手で感じることにより
都内の一室にあっても、生々しく強烈な砂浜体験ができます。
日本建築学会 建築文化週間 ワークショップ にて制作・出品
テーマ:「経路(ROUTE)の設計」(小嶋一浩ユニット)
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制作及び展示会場:建築会館(東京都港区)
海に行きたいと思う>誰と行くか決める>日程調整する>どこに行くか決める>>>・・・>>>浜辺に着く>海の家を探す>海の家で着替える>荷物を持ってパラソルの下に行く>パラソルの下でラジカセやらオイルやらを出したり塗ったりする>ビーチサンダルを脱ぐ>波打ち際に向かう>海水に触れる>徐々に海水に漬かる>顔をつけてみる>泳ぐ>>>・・・
※その他の建築実例や、所属設計事務所にて携わった作品、コンペ案等を含むポートフォリオ(作品集)を弊所にてご覧いただくことができます。お気軽にご連絡ください。
photo:Yuko TADA
photo&drawing:Yuki SHIOTA
作品紹介
ピックアップしてご紹介します。その他の作品についてはこちら(プロフィール)をご覧下さい。
『空』そら:大好きなモノやご家族の活気を対比的に引き立てる余白
『空』くう:空の魅力を抽出して映し出す白い空間
やんちゃな息子さんを筆頭に活気あるご家族のすまい。デザイナーであるクライアントが好みで集めた沢山の雑貨や賑やかなご家族の暮らしそのものが魅力に感じられる家を目指しました。
そこで、皆の主たる生活の場であるリビングや書斎に『空(くう)』=余白 となる大きな白い吹抜を沿わせ、モノや家族の織りなす活気を対比的に引き立てると共に、心の引きが取れる空間としました。
また、ご家族共通の趣味は『空(そら)』を眺めること。
白い壁に穿たれた窓は空を切り取ると同時に、移ろう日ざしや空の色合いを吹抜に映し出し、ここにしかないもう一つの空をつくりだしています。
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所在地:愛知県名古屋市
構造:木造2階建
延床面積:約116m2
photo:Koji KOBAYASHI
築50年の木造住宅を改装したすまい。
古い小屋組、広い空、和室の寛ぎ、家族の日常・・・
立体的に広がり移ろう情景を白い壁で『額装』する。
昭和30年代に開発分譲された建売住宅の改装計画です。
和室の続き間で構成された「サザエさんの家」にも似た懐かしさ、自然素材の素朴な風情をクライアントが気に入り、既存躯体の状態も良好であることから、建替をやめ、長期使用に耐えうる様屋根の葺替え、耐震補強、そして現代の生活に沿うための改装改修を行いました。
ここでいう『額装』とは、『大切なものを他と取りわけて目に触れる場所に飾ること』で、その大切さをさりげなく日々確認できる、例えば家族写真を飾るような行為をイメージしています。
古い小屋組、広い空、和室の寛ぎ、家族の日常・・・立体的に広がり移ろう情景を白い壁で『額装』することで、『家族の暮らしとすまいの双方がさりげなく大切に感じられる空間』を目指しました。
2012年度日本建築学会東海賞 受賞
日本建築学会 作品選集2014 掲載
第17回 木材活用コンクール 木質改修特別賞 受賞
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所在地:三重県桑名市
構造:木造平屋建
延床面積:約83m2
photo:Koji KOBAYASHI
国定公園内に位置する日本画家のアトリエ+住居。
杉の柱を林立させた中にアトリエと住まいを囲むようにつくることで、背後に擁する森、そして目の前に広がる里山の風景と室内とが、一体に感じられる。
木造建築は作り方や使い方によって長く魅力を保ち続けられることは、多くの古建築が現存していることを見ても明らかなのに、現代の一般的な木造住宅は、30年もすれば建物としての魅力がなくなり建て替えられてしまうのを残念に感じていました。
『時が経っても存在感が劣化しない木造建築』の実現に向け、『素材の魅力が活かされた、素朴で力強い建築』を目指し、つくり方から抜本的に見直し計画しました。
まるで周辺に広がる里山の風景のように、年月が経っても古び方に味わいが生まれる建築です。
第17回 木材活用コンクール 木材活用特別賞 受賞
第23回 愛知まちなみ建築賞 受賞
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所在地:愛知県豊田市
構造:木造平屋建
延床面積:約130m2
photo:Fumito SUZUKI
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所在地:愛知県名古屋市
構造:RC造一部鉄骨造地上8階建
延床面積:約7400m2
*三共建築設計事務所・clublab.とのJV
photo:rococo produce
建物の中心に階段広場を持つ、都心部の工業高校校舎の計画。高校生活に様々なシーンを生み出し、沢山の思い出が重なる”記憶に残る学校”。
都心部にあっては学校建築もまた効率的なプランニングが求められ、その結果、空間は無味乾燥でオフィスビルのようになりがちです。
本計画では、斜めに抜ける階段広場を建物の中心に配することで、必要な教室数を確保しながら、生徒のみなさんにゆとりある生活空間を提供しています。
斜めに抜ける階段広場の中には様々な場がちりばめられています。みんなで集ったり思い思いに過ごしたり・・・高校生活に多様なシーンを生み在校生の思い出が重なっていく。外観は階段広場を想起させ、卒業生が高校時代の思い出を喚起される。そして訪問する中学生が高校生活への夢を描ける。在校生だけでなく、学校に関わる方々みなさんにとって”記憶に残る学校”を目指しました。
第48回 中部建築賞 入賞
新建築2017年4月号 掲載
北米照明学会2017国際照明賞 Award of merit受賞
(照明計画担当のSLDAが受賞)
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copyright(c) 2006-2017 Yuki SHIOTA all rights reserved.
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所在地:愛知県岡崎市
構造:木造二階建
延床面積:約150m2
photo:Fumito SUZUKI/Fowardstroke
暮らしの利便を重視した本宅の上に、開放的な別荘を重ねたすまい。
宙に浮いた芝生の庭が、見慣れた近隣の風景に距離感を与えている。
お母様と息子さん、2人のすまい。
「減築」という言葉が近年聞かれる様に、大きすぎる家もまた負担になるものです。完成直後だけでなく将来住み手が単世帯となっても、余剰スペースが「お荷物」と感じられない家とは。この計画では1階と2階を重ねた2軒と考え、1階を利便性の高い本宅、2階を別荘と位置づけるとともに、付属する外部空間も各々の階にならったつくりで重ねました。
1階はご高齢のお母様の生活利便を重視したプランニング。窓辺に日射が届かないことを逆手にとって、吹抜など上階から採った日射が時の移ろいを伝える空間としました。物干し場や駐車場などを配した庭もまた、生活の利便を支えています。
2階は息子さんの居住スペース。
芝庭に向けて開いた屋根とガラスのスクリーンが、のどかで明るい場をつくりだしています。春は向かいの桜、夏は花火、そして夜は星空を臨む芝庭によって、準工業地域であるこの地に独自の季節感をもたらします。
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所在地:愛知県名古屋市
構造:RC造三階建
延床面積:約270m2
photo:Fumito SUZUKI
風と光の谷が、ここにしかない開放性をもたらす。
美術品と引き立てあう強度のある空間。
名古屋の繁華街の一角に位置する壮年ご夫婦のすまい。
都心にあってまるで街を見下ろすような開放的な浴室と、奥様がお持ちの美術品を建築に組み込みながら計画することをご要望いただきました。
街を地形と見立てれば、ビルは山、道は谷。
街路のつき当たりである立地を生かし谷を生活空間に引き込むことで、プライバシーを確保しながら、都市ならでは、また寺町ならではの開放感を生み出しています。
美術作品を引き立てるためだけの空間では、美術品の強度に建築が負けてしまいます。美術品を配置してもなお生活の拠り所たる印象の強さを、RCの素材感と谷の空間構成のダイナミックさに求めました。施工者の皆様の努力により、美しく強い印象の空間が実現しています。
谷の隣地側に立った高さ3層分のRC壁が耐震性能を担うことで、谷と室内との境界を構造的に無理なく開放的にすることができ、日射や雨、風など季節や時間の変化が傍にある生活空間となっています。併せて高い断熱性能やゆったりした通路幅など、年を重ねても心地よい暮らしの実現に向けた工夫が盛り込まれています。
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所在地:愛知県名古屋市
構造:RC造二階建
延床面積:約160m2
photo:Fumito SUZUKI
「遊び」が家族をつなぐ家
近年、家事の多くが外注可能となり、一般家庭もそのサービスを享受できるようになってきました。今後その傾向はますます強まっていくと思われます。
その様なこれからの社会で必要とされる「家」の機能とは・・・広い意味での「遊び」ではないか、と考えました。
ボール投げや工作、大勢での食事など、住まい手家族の遊びの傾向を踏まえ、計画可能な最大の遊び場(あそのびスペース) を中心に据えた家です。
子供が小さいころは、親が子供に対して一方的に世話や知恵を提供する関係です。今後家事が減り、ネットワークゲームなど新たな人との関わり方が生まれる中で、子供と親とはより早期に、相互触発を楽しむ時期を迎えられるのではないでしょうか。
遠慮ない遊びと、その様子に声をかけやすい人の居場所を考慮して、あそのびスペースを計画しました。
敷地は南北に長く東西には隣家がせまっています。コンクリートの壁が音や振動の伝搬を抑え、アクティブな遊びを引き出します。一方、木部の可塑性が生活の変化に適応し、工作好きな住み手の遊びを引き出します。
木部は節の多い杉材を使ってRC部と鮮やかに対比させ、ラフな使用(日常の散らかり、汚れ)を 美的な面で許容する、包容力のある空間を目指しました。
第50回 中部建築賞 入賞
日本建築学会作品選集2020 掲載
新建築住宅特集2019.12月号 掲載